翼竜型ゾイド
Pterosauria-Type

翼竜型ゾイド

■機体説明

ZAC2100年、ヘリック共和国は「レイノス」の後継機として使用するために、エウロペ大陸に生息する翼竜型ゾイドをベースとする次期制空戦闘ゾイドの開発を決定。計画は急ピッチで進められ、同年末には試作1号機をロールアウト。更に、翌年4月には、1号機とは異なる設計に基づく試作ゾイド2体がロールアウトされ、それらの試作機3体によるトライアルテストが開始された。本機は、開発計画において3番目にロールアウトされた試作機体であり、かの「レイノス」の名を継いだ唯一の機体であるが、その設計および戦術思想は大きく異なっており、前進翼の採用による優れた運動性能と格闘戦能力の高さが本機の特徴である。だが、たった3度のテスト飛行の後、共和国首都陥落という非常事態に見舞われてしまい、その高性能を示す機会は失われた。


前からやりたいなぁと思っていた前進翼アレンジの翼竜型ゾイドです。戦闘機と翼竜の融合をテーマにして、いろいろと試行錯誤した結果、こういう形に落ち着きました。まぁ、落ち着くまでが結構大変だったんですけれども(^^; 途中でイヤになるくらい、あーでもない、こーでもない、とスケッチを描きまくっていて、行き詰まっていたときもありました。

一応、レイノスをベースにしつつ、前進翼機のエッセンスをちょこちょこと盛り込んだつもりです。レイノスはランフォリンクス類をモチーフとしていました(でも、なぜかテラノドン型)が、今回はその発展形というつもりで描いていたので、どちらかというとプテロダクティルス類よりに振っています。そのため、レイノスの特徴である長い尾がなくなって、より戦闘機に近づいたかな、と。

個人的に、飛行ゾイドがマグネッサーシステムで飛ぶ……というのがあまり好きではないので、ゾイドコアそのものを一種のラムジェットに見立てて、イオンを多く含む吸気をコアの生体電磁場によって強力に加速して後方に排気することで推進力および揚力を得ている――という設定をでっち上げてみました。この場合、ラムジェットというよりは、むしろ電磁流体推進というべきなのかもしれませんが。

また、それとは別系統で、S/VTOL用の限定的なマグネッサーシステムを装備していて、十分な滑走距離を確保できない狭小地においても運用可能な、短距離離着陸能力を有するという設定。減速時および低速飛行時の姿勢制御などにマグネッサーシステムを用いるのは、とても有効なのではないかと思います。実際の飛行機でも、離着陸時が一番不安定だと聞きますし。

……とか何とか言って、本当のところは、戦闘機タイプのゾイドがジェットエンジンの爆音を轟かせることなく空を飛ぶ――という情景が許せないだけです(笑)。