アルシノイテリウム型ゾイド
Arsinoitherium-Type

アルシノイテリウム型ゾイド

■機体説明

ガイロス帝国軍によって開発されていた大型戦闘ゾイド。共和国空軍による対地攻撃は、エウロペ大陸に展開する帝国軍地上部隊にとって悩みの種であった。そこで、地上部隊に随伴して戦術防空戦闘を行なうことのできるゾイドの必要性から、本機が開発されることになったのである。開発プログラムは順調に進捗し、数体の試作機がロールアウトされたことが、帝国側の記録に残されている。いずれの試作機も、優れたレーダーシステムと高性能な対空火器の装備により、対空戦闘用ゾイドとして必要十分な性能を獲得していた。しかし、帝国の内乱によって計画そのものが頓挫。わずか3回の評価試験を実施しただけで開発プログラムは中断を余儀なくされ、『ダブルホーン』は幻の名機となってしまった。


今回は、絶滅哺乳類であるアルシノイテリウムのゾイド化にチャレンジしました。とはいうものの、アルシノイテリウムに関する予備知識は皆無で、たまたま某サイトで見かけて、そのスタイルにいたく感銘を受けたことがきっかけでした。特に、頭部先端にある2本の角が、何とも言えないですね。こういう危ういデザインって好きです。しかも、実際に、この地上を闊歩していたっていうんだから、自然の造形力は素晴らしい魅力に満ちていると感じます。

サイのようなズングリとしたスタイルなので、『レッドホーン』のような重装タイプだろうなと、安直な思考でデザインを検討した結果として、上のイラストに落ち着きました。頭の角をどう扱うかは悩んだのですが、ここは素直に近接戦用の武器としています。表面に高圧電流をかけて、その威力で敵内部の構造にダメージを与えるという設定。気分的には、防御用兵装です。

主兵装は、すぐにそれとわかる背中の荷電粒子ビーム砲と、胴体上面にある計8基のミサイルポッド(合計装弾数:48)。どちらも対空戦闘に用いられます。高高度もしくは遠距離の目標は荷電粒子ビーム砲で狙い、比較的近距離の目標は対空ミサイルで落とす、という想定です。勿論、荷電粒子ビーム砲で地上目標を攻撃することもできます。

荷電粒子ビーム砲は、砲口付近の中和電極で電気的に中性にした状態で発射されるため、ビームの集束率が従来のものよりも高く、射程が長いという設定。イラストには描いていませんが、砲およびセンサーブロックが接続されている基部は可動式で、少し上に伸びます。それにより、なんと最大仰角90度を確保し、成層圏を飛行する戦略偵察機をもインレンジに収めることができるのです。

背中に並ぶミサイルポッドは、それぞれが独立したユニットになっており、全弾撃ち尽した後はユニットごと交換するようになっています。これにより弾薬補給に要する時間が短縮され、機体の運用効率が高まります。もっとも、これはある程度の兵站能力が確保されていてこそ意味があるわけで、共和国軍の空爆によって補給線がずたずたにされていた状況下では、少し企画倒れであったかもしれませんね。

また、兵装ユニットにはミサイルポッド以外のタイプもあって、同一の規格に従ってつくられた各種兵装ユニットを換装することにより、作戦内容に応じた最適の武装を選択することも考えられていた……という、画期的なんだか、弱気なんだか、よくわからない設定も思いついたりしました。

ミサイルポッド