『A DAY in Z-ZOO』


 その日は、朝からとてもいい天気だった。
 青い空、白い雲。
 爽やかな風が頬をなでてゆく。
 そんな少しだけヒンヤリした朝の空気を掻き分けながら、私は管理事務所の隣にある格納庫に向かっていた。
 パークレンジャーである私の仕事は、広大な『Z−Zoo』をパトロールすること。時には団体客や一般の来園者を相手にガイドを務めることもあるけれど、あくまでもそれは副業みたいなものであって、基本は園内の平和と安全を守ることだ。
 展示フィールド内には獰猛で好戦的なゾイドも飼育されているから、そうしたゾイドから見学者を守らなくてはいけないし、逆に外部から侵入する密猟者たちから希少なゾイドを保護するという役割も負っている。
 とにかく、私たちの責任は重大なのだ。
「……よし!」
 小さく気合いを入れて、私は格納庫に足を踏み入れる。
 愛機・カノンストームの傍では、定期点検を終えた整備士たちが休憩を取っていた。
「おはようございます!」
「おう。おはようさん」
「もう乗っても大丈夫ですか?」
「ああ、勿論だ。今朝の点検では、特に問題は無かったよ。あとは、ミレッタちゃんのシステムチェックだけだな」
「了解です」
「それじゃ、よろしくな」
「はい」
 いつも通りの挨拶を交わして整備班からチェックシートを挟んだバインダーを受け取ると、私はカノンストームのコクピットへ潜り込んだ。
 サブシステムを立ち上げ、自己診断プログラムを走らせる。
 その間、ハッチは開けたままだ。

 ピッ…

 短い電子音が鳴って、自己診断プログラムの実行終了を告げる。
 ここからは私の仕事。
 整備班から手渡されたバインダーを開いて、診断結果の表示されたエバリュエーションモニターを覗き込む。表示されている診断結果の各項目をひとつひとつ丁寧に確認し、チェックシートに記入していく。
 まぁ、毎朝の儀式みたいなものと言えなくもないけれど、決しておろそかにはできない。
 園内をパトロールするゾイドが整備不良で事故ったり、暴走したりしたら、本末転倒どころか、目も当てられないからだ。
「コンディション、オールグリーン……っと」
 異常のないことを確かめ、チェックシートにサインをして、バインダーを閉じる。
 一旦コクピットから降りて、整備班にバインダーを返却する。
「システムチェック、終了しました」
「ごくろうさん。……よし、OK。抜けはないね」
 そう言いながら、整備班副班長のエリックさんがチェックシートにサインをする。
 システムチェック終了報告と引き替えに、操縦システムを起動させるためのICカードを受け取り、私は再びカノンストームのコクピットへと戻る。
 シート脇のスリットにカードを挿し込み、指紋認証でIDを照合させると、ようやくカノンストームの全システムが起動する。
 面倒といえば面倒だけど、安全には代えられない。

 ヒュウウウウウウンン…

 獣の唸り声にも似た低い風切り音がして、補機が始動したことを告げる。補機から供給される電力が、眠っていたゾイドコアを励起させ、カノンストームの体躯の隅々に命の息吹を吹き込んでゆく。
 格納庫内に緊張が走る一瞬だ。
 と、そこへ見覚えのある人影が走り込んできた。
「あちゃー。また遅刻しちゃったなぁ。やばいやばい……」
 先輩レンジャーのエリスさんだ。
 多少の遅刻くらいでは全く動じる気配がないのは、尊敬していいんだか、悪いんだか。
 でも、パークレンジャーとしての経歴は私よりも長くて、ゾイドの操縦も上手いし、射撃の腕も一流だ。美人だし、気風はいいし、これでキワモノやゲテモノ好きじゃなければ、言うこと無しの尊敬すべき先輩なんだけどナ……。
 ともあれ、エリスさんと私はコンビを組んでパトロールをすることになっているのだから、放っておくわけにはいかない。
「エリスさ〜ん! もうそろそろ定刻ですよ」
「わかってるわよ、ミレッタ! あたしはヘイムダルの立ち上げに時間掛かるから、とりあえず、あんたが先に行っててよ」
「それって、職務規程に違反することになりませんか? パトロール部隊のゾイドはペアでの行動が基本で――」
 私が最後まで言う前に、エリスさんが言い返す。
「んなこと、わかってるわよ! 上司命令が聞けないっての!?」
 もう無茶苦茶である。
「いえ、そんなことは――」
「それにね、僚機が行動不能になって、単独行動しないといけない場合だってあるんだから。そういう非常事態に備えての練習だと思えばいいでしょ!」
 それはさすがに強引で我田引水な論理展開だと思ったけれど、これ以上何を言っても効き目はないに違いないと諦める。
 ミニョコンを捕まえてこいとか言われないだけマシだと思いながら、私はコクピットハッチに手を掛けた。
「了解ッ! それでは、ミレッタ・バレル、先行します」
「わかればいいのよ。わかれば」
 満足げに頷いて、エリスさんは腰に手をやる。
 その様子を眺める整備士たちの視線がいささか剣呑なものに見えたのは、私の気のせいだろうか。
 ……まぁ、いいや。
 ハッチを閉めて、外部スピーカーのスイッチをオンにする。
「ミレッタ・バレル、出ます!」
 下方監視モニターの中で、格納庫入り口付近に立っていた整備士たちが道をあけてくれるのが見えた。
 心の中で礼をして、私はカノンストームと共に園内パトロールへ向かった。

 二十分遅れで合流したエリスさんと園内を一巡し、駐機場の片隅で愛機を休ませる。
 今日は平日なので、来園者数も少なめだ。それを反映して、駐機場も空いている。
 私とエリスさんはゾイドを降りて、駐機場を見て回った。
 最近は正面玄関から堂々と入ってくる大胆不敵な密猟者もいるので、用心が必要なのだ。
「さすがに、今日は大丈夫のようね」
 と、エリスさんが安堵の表情を見せる。
「そのようですね」
 私がそう応えたとき、腰の無線機が鳴った。
「?!」
 何だろう?
 首を傾げながら、無線機の通話スイッチを押し込む。
「こちら、ミレッタです。どうぞ」
『こちら、管理事務所。ミレッタ、いま何をやっているの?』
 園長秘書のアリクシアさんの声だった。
 最近、何かと多忙な園長に代わってパークレンジャーをまとめるのが、アリクシアさんの仕事になっていたから、これは別段驚くべきことではない。
 けれど、無線機越しに伝わってきた張りつめた雰囲気に、私は緊張した。何かあったのだろうか。
「……えっと、駐機場を巡回しています。エリスさんも一緒です」
『道理で、ゾイドを呼んでも応答がないわけだ……。とにかく、今すぐゾイドに戻ってちょうだい。話の続きはそれからよ』
「りょ、了解!」
 私は無線を切ると、カノンストームを目指して駆けだした。
 すぐにエリスさんも追いついて、私に疑問をぶつけてきた。
「いったいどうしたのよ?」
「アリクシアさんからのコールです。すぐ、ゾイドに戻れって」
「……アリクシアから? そりゃ、穏やかじゃないわね」
 そう言うと、エリスさんは口をつぐんで歩を早めた。
 私たちは駐機場をまっすぐに横切って、自らの愛機へと向かった。
 私がカノンストームのコクピットへ上がるより先に、エリスさんがヘイムダルに飛び乗った。
「アリクシアっ! いったい何事なの!?」
 通信機をオンにするや否や、エリスさんはマイクに向かって叫んでいた。
 私も慌てて通信機のスイッチを入れる。
『……エリス。そんなに大きな声を出さなくても聞こえてるわよ』
 モニターの中では、アリクシアさんがうんざりしたような表情を浮かべていた。
「そうだけど――」
 言いかけたエリスさんを制するように、アリクシアさんが口を開いた。
『来園者用のラゼットが一機、安全限界速度を超過して走行している。位置は、あなたたちの機体に積んでいる位置追尾システムで把握できるわよね?』
「ラゼットが……?」
 私は、アリクシアさんが言ったことの意味がすぐには理解できなかった。
 しかし、言われるままにコンソールを操作し、ラゼットの位置追尾システムの画面を呼び出す。
 来園者に園内周遊用として貸し出されるミゼットゾイド『ラゼット』には、その位置を把握するための発信器が取り付けてある。そのため、パトロール用ゾイドに搭載されている位置追尾システムを使えば、リアルタイムで全ラゼットの位置を知ることができるのだ。
 追尾システムの画面を一瞥するなり、私は状況の切実さを理解し、同時に唖然とした。
 それは、エリスさんも同じだった。
「ったく。どこのバカよ……!」
 エリスさんの口が悪いのは今に始まったことじゃないけれど、今回ばかりは私もエリスさんの意見に賛成だった。
 あろうことか、単機で猛獣ゾーンに踏み込むだなんて。
 貸し出し時に『ラゼット単機での猛獣ゾーンへの進入は大変危険ですので絶対にやめてください。必ず護衛のレンジャー同伴で周遊してください』と注意を促しているはずなのに、何と無謀な人なのだろうか。
 安全速度を超えて走行しているということは、おそらくゾーン内で飼育されている大型ゾイドに追い掛けられているのだろう。
「アリクシア。状況を確認したわ。ただちに、猛獣ゾーンに急行して、ラゼットを保護する」
『頼むわよ、エリス。ミレッタもしっかりね』
「はい、頑張ります!」
 私の返事に満足したのか、アリクシアさんは微笑を残して通信を切った。
 すぐさま、エリスさんの声が私の耳を打つ。
「行くわよ、ミレッタ! ぐずぐずしてたら、マジで喰われかねないわ」
「了解!」
 次の瞬間、カノンストームとヘイムダルは地を蹴って駆けだしていた。

 私たちは、小獣舎の脇を走り抜け、噴水広場を掠めて、猛獣ゾーンへと向かうルートを取った。駐機場から猛獣ゾーンへ行くには、それが最短経路なのだ。
「目標をレーダーで捕捉。まもなく有視界で確認できます」
「よぉし……」
 まだ、例のラゼットは走るのを止めていないことが、追尾システムのおかげでわかる。少なくとも、不用意な来園者はまだ生きているらしい。
 噴水広場を迂回し終えると、突如として前方視界が開けた。猛獣ゾーンに達したのだ。
「見えたっ!」
 私の視線の彼方で、赤く小さなラゼットが、黒くて大きな恐竜型ゾイド――デスアローに追い掛けられていた。その相対距離は、あまりにも近かった。下手に攻撃すると、デスアローだけでなく、ラゼットまで巻き込んでしまう。
 下唇を噛む私を見透かしているかのように、エリスさんが素早く指示を出す。
「ミレッタ。カノンストームの電磁砲を最低出力で発射。きちんと一発でデスアローに当てなさいよ!」
「で、でも、その程度じゃあ、デスアローの足は止められないですよ?」
「こちらに注意が向けば、それでいいの。ミレッタ? あんた、自分で言ってたでしょう。パトロール部隊のゾイドはペアでの行動が基本だって」
「え、えぇ……」
「だったら、少しは僚機を頼りなさいよ。あたしの腕が信じられないの? それとも、美味しいところは全部自分で持っていくつもりなのかしら?」
 そこまで言われないと気づけないとは、私もまだまだ未熟だ。
「わかりました。では、お願いします。エリスさん」
「任しとき。……さて、ラゼットが喰われないうちに片を付けるわよ」
「はいっ!」
 勢いよく返事をして、カノンストームの火器管制システムを立ち上げる。
 主砲である高圧電磁砲の出力を最低レベルに設定し、デスアローに照準。ロックオン。
 弾丸は、殺傷能力のない装弾筒付硬質ゴム弾を選択する。
 幾ら相手が大型で獰猛なデスアローだからといって、殺傷能力のある徹甲弾や榴弾、成型炸薬弾などは使えない。電磁パルス弾も論外だ。そんなものを迂闊に園内で使用すると、周辺へ及ぼす影響が大きすぎる。何より、近接するラゼットへの影響を無視することができない。
 もっとも、非致死性のゴム弾といえども、ミゼットクラスのゾイドに直撃させれば、四肢を吹き飛ばすだけの威力はあるので、決して人畜無害というわけでも無いのだけれど。
「ミレッタ、準備はいい?」
「OKです。五秒後に発射します」
「よしきた!」
「……三、……二、……一、……発射!!」
 トリガーを引き絞ると、高圧電磁砲が甲高く咆吼した。
 音速を遙かに上回る速度で射出されたゴム弾が、デスアローの脇腹に突き刺さる。
 無論、その程度の攻撃ではデスアローの動きは止まらない。だけど、無視してしまえるほど弱くもないはずだった。
 それまで一心不乱にラゼットを追い掛けていたデスアローは、突然脇腹に感じた衝撃に不快そうな唸り声をあげた。その鋭い視線がラゼットを離れ、こちらへと向けられる。
 思わず、目が合う。
「!」
 ギクリとして息を呑んだ瞬間、エリスさんの操るヘイムダルが飛び出していた。
「よくやった、ミレッタ! あとは、ラゼットの確保を頼むわ」
「はいっ!」
 私とエリスさんは二手に分かれて進む。
 エリスさんは、デスアローへ。
 私は、ラゼットへ。
 ラゼットは、まだ走るのを止めてはいなかった。
 呼びかけて素直に応じるとも思えなかったので、非常手段を使うことを決め、ラゼットの位置追尾システムのメニューを開く。
 幾つも表示されるメニューの中から『緊急停止』を選択し、対象機体を目の前のラゼット八号機に指定する。実行キーを押し込むと、管理事務所内のメインコンピュータにコマンドが送信される。そこから園内に張り巡らされた無線通信網を経由して、ラゼットに緊急停止信号が送られる仕掛けになっているのだ。
 緊急停止したラゼットをかばうように、私はカノンストームを走らせる。
 その間に、エリスさんのヘイムダルがデスアローに挑み掛かっていた。
 エリスさんの操縦は、いつ見ても実に鮮やかだ。
 背面のスラスターを小刻みに噴かして、デスアローの背中を飛び越え、裏をかく。虚を突かれたデスアローがヘイムダルを探して首を巡らす一瞬の隙に、その足首にライフルを撃ち込む。必中距離から、きっちり二発。足首をやられて、その場に倒れ込むデスアロー。だが、闘志は衰えていない。長い尻尾を振り回して、ヘイムダルを攻撃しようとする。
「ふん。あたしを倒そうなんざ、百年早い!」
 そんな台詞を口にしながら、エリスさんはヘイムダルを跳躍させ、デスアローの尻尾攻撃を軽やかに躱わす。そして、ライフルに特殊弾を装填すると、躊躇無く発射した。対ゾイド用パラライザーだった。たちまち全身の神経が麻痺したデスアローは、まるで眠ってしまったかのように、静かに横たわった。
「やれやれ……」
 安堵の溜息をついたエリスさんは、すぐに管理事務所へ連絡を入れた。
「こちら、エリス。猛獣ゾーンにグスタフを回してくれる? デスアローを回収して、足首を治してやらないといけないから。……そう、担当の飼育士も一緒にね。……うん、お願い」
 通信を終えると、エリスさんの視線はラゼットに乗っている人物へと向けられた。
 ヘイムダルの特徴的な単眼が、停止しているラゼットを真正面に捉える。
 ゆっくりとラゼットに歩み寄ると、エリスさんはヘイムダルのコクピットハッチを開放し、大声で怒鳴った。
「そこのバカ、ラゼットから降りなさい!」
 エリスさんのあまりの剣幕に驚いたのだろうか。ラゼットに乗っていた来園者は慌てた様子で操縦席から飛び降り、ヘルメットを脱いだ。
 ヘルメットの中から現れた顔は、私と同い年くらいの若い男性のそれだった。
 だが、その男性客はしょんぼりするどころか、不機嫌そうな顔でエリスさんを睨み返していた。
「バカとは、どういうことだ!? それが、客に対する言葉遣いなのかよッ!」
 自分の行いに対する謝罪も反省もなく、いきなり文句を言ってきた男性客に、エリスさんがぶち切れた。
「…………!!」
 無言のうちにヘイムダルから飛び降りると、エリスさんは男性客の襟首をぐいと掴んで、その左頬に神速の右ストレートを叩き込んだ。

 ゴッ…

 鈍い音がして、男性客が吹っ飛ぶ。
「ひえっ……」
 端で見ていた私は、思わず首をすくめた。
 まるで自分が殴られたような気分だった。
「そんな一人前に偉そうな台詞は、きちんと園内のルールを守ってから言いなさい!」
 エリスさんの台詞は、この上なく正論だった。
 だが、男性客には通じなかった。
 きっとエリスさんに殴られて、頭に血が上っていたのだろう。
「んだとぉ、ごらぁ!」
 悪態を付きながら起きあがると、男性客はエリスさんに掴みかかろうとした。
 が、すぐに顔を真っ青にして動きを止めた。
 よく見ると、男性客の股間にエリスさんの膝蹴りがクリティカルヒットしていた。
 為す術もなく地面に倒れ込んだ男性客に、エリスさんは蔑むような視線を向けた。
「今度、バカな真似をしたら、この程度では済まないからね」
 吐き捨てるように言ってから、エリスさんは男性客をラゼットの後部座席に放り込んだ。
「どうするんです?」
 私が訊ねると、エリスさんから素っ気ない答えが返ってきた。
「管理事務所に返す」
 ぶっきらぼうに言いながら、エリスさんは後部席のハッチを閉め、ラゼットの操縦システムをフルオートに設定した。
 エリスさんが操縦席から離れると、ラゼットは一目散に管理事務所へ帰っていった。
「これでよし、と」
 妙に清々しい表情で、エリスさんがヘイムダルのコクピットに戻る。
「何だか、嬉しそうですね?」
 私が訊ねると、エリスさんはにやけた頬に手をあてながら言った。
「まさか。ムカつく客をどさくさ紛れで鉄拳制裁したからスッキリした――なんてことは、全然無いんだから、全然……」
 何と正直な人だろう。
 私は笑いを噛み殺すのに苦労した。
 そして、ゾイドのコクピット越しに訊ねてよかった、と心の底から思った。


 それから、十分後。
 デスアローの回収に来たグスタフの乗員たちに業務を引き継ぐと、私たちは猛獣ゾーンを後にした。
「さぁて……。事務所に戻って、お昼にしますかね」
 と、エリスさんが晴れやかに言う。
「そうですね。お腹、空いちゃいましたし」
 と、私も応える。
 今日という日は、まだ半分も過ぎていないのだ。
 青い空を見上げて深呼吸すると、私は正面モニターを見据えてコントロールスティックを握りなおした。
 さて、今日の残り半分はどんな出来事が待っているんだろうか。


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本作は「機獣博物園Z-Zoo」に投稿した小説を加筆修正したものです。

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